コンクリート構造物のクラック自動抽出システム

NETIS KT‐130046‐V

画像から抽出したクラック分析による浮き、はく離の検知技術

~近接目視の支援技術の現場検証~

[概要]

 道路トンネルは5年に1度の定期点検が義務付けられ、点検技術の効率化・精度向上が急務となっている。そこで、近接目視点検のスケッチ作業を効率化するため、高精度デジタルカメラでトンネル覆工コンクリートの画像データを取得し、画像データから変状展開図を作成する。これにより、現場作業時間の短縮、変状展開図の作成時間短縮・精度向上を目指す。
 また、画像データからひび割れを抽出し、近接目視時の確認漏れ等を補助する技術の実現も目指している。

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[特徴]

▶ トンネル覆工コンクリート全周の、長さ0.8mの画像データ1回の撮影(約30秒)で取得できる。

▶ 画像データを専用ソフトウェアで解析し、ひび割れの幅と長さを0.2mm単位で自動抽出できる。
▶ 画像データとして保存し、ひび割れの抽出も自動のため、記入漏れや誤計測等の人為的ミス発生しない

▶ ひび割れの正確な分布が確認できるため、コンクリートの浮き箇所やひび割れ発生原因を推定できる。

▶ 漏水・はく離の確認や経年変化確認も容易に行える。

維持補修02

[FOCUS-T 仕様]

■ひび割れ抽出精度とトンネル半径
 0.2mm精度:半径5.3~5.6m
 0.3mm精度:半径5.6~10.0m(※大きなトンネル半径で精度を上げる場合は、カメラ台数を増加して対応)

■撮影速度
 6~7分/10m(片側車線の交通規制で、トンネル横断面を撮影)

■得られるデータ
 トンネル覆工コンクリートの高精細画像
 0.2mmまたは0.3mm単位のクラックデータ(幅、長さ)
 クラックデータおよび高精細画像からの浮き推定箇所、はく離の確定箇所

■撮影使用機材
 デジタルカメラ:Nikon D7100
 ズームレンズ:Nikon AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
 レーザーポインター(グリーン、レッド)

■重量
 約120kg(架台、撮影使用機材および電源装置を含む)


調査対象はトンネルだけではなく、橋脚や擁壁、ダム等も可能であり、その場合の撮影距離は最大70m程度である。

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